【経済危機でも慌てない】初心者向けお金の「守り方」と「増やし方」超基本ガイド
経済危機下、お金の不安とどう向き合うか
経済危機という言葉を聞くと、漠然とした不安を感じる方は少なくないでしょう。「自分の収入は大丈夫だろうか」「貯金は減ってしまうのだろうか」「将来はどうなるのだろう」といった心配は当然の感情です。特に、これから本格的に資産形成を考えたいけれど、何から始めれば良いか分からない、という方にとっては、不安が先行してしまうかもしれません。
経済危機は、私たちの生活や資産に様々な影響を与えます。しかし、その影響を理解し、適切な知識と行動を身につけることで、不安を和らげ、冷静に対処することが可能になります。この記事では、経済危機が発生または懸念される状況において、私たち個人が大切なお金をどのように「守り」、そしてどのように「増やす」ことを考えるべきか、その超基本的な考え方を初心者の方にも分かりやすく解説します。
大切なのは、不確かな情報に振り回されず、冷静に、そして着実に、自分のお金について考え、行動することです。
まずは「守る」:経済危機から資産を守るための基本
経済危機が起こると、物価が変動したり、円の価値が変わったり(円安・円高)、株式や不動産の価格が大きく上下したりすることがあります。これは、私たちが持っている「お金の価値」や「資産の価値」が変わることを意味します。
「守る」とは、こうした経済の変動によって、今持っている自分のお金や資産の価値が大きく減ってしまうリスクをできるだけ小さくすることです。
では、具体的に何を考えるべきでしょうか。
1. 「生活防衛資金」は確保できているか?
経済危機時だけでなく、予期せぬ収入減や失業に備えるために、すぐに引き出せる現金(預貯金)を準備しておくことは最も基本的な「守り」です。これを「生活防衛資金」と呼びます。一般的には、生活費の3ヶ月〜1年分が目安と言われますが、ご自身の雇用形態や家族構成、支出状況によって必要な額は異なります。
もし、まだ生活防衛資金が十分に確保できていない場合は、まずここから着手することをおすすめします。他の資産運用よりも優先度が高いと考えましょう。(生活防衛資金については、別の記事で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。)
2. 資産の「置き場所」を考える
生活防衛資金とは別に、少し余裕のある資金がある場合、その「置き場所」を考えることも「守る」ことにつながります。
- 預貯金: 最も安全な場所ですが、経済危機によるインフレ(物価上昇)が進むと、現金の価値は相対的に目減りする可能性があります。例えば、今まで100円で買えていたものが120円にならないと買えなくなれば、100円の価値は下がったことになります。
- 分散投資: 一つの資産に集中させず、複数の種類の資産に分けてお金を置く考え方です。例えば、預貯金だけでなく、株式や投資信託、不動産など、異なる動きをする資産に分散させることで、どれか一つが大きく値下がりしても、全体の資産への影響を抑えることができます。
経済危機下では、特に株式市場などが大きく変動しやすい傾向があります。すぐに使う予定のないお金であれば、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産を分散させておくことが「守る」ための重要な考え方です。
次に「増やす」:経済危機下で資産を増やすための基本
経済危機と聞くと、「増やす」なんて考えられない、と思うかもしれません。確かに、経済が不安定な時期は資産運用にはリスクが伴います。しかし、長期的な視点で見ると、経済が回復していく過程で資産価値が上昇する機会も生まれます。また、短期的な下落は、長期投資にとっては「安く買う機会」となる可能性もあります。
「増やす」とは、持っているお金に働いてもらい、将来に向けて資産を成長させていくことです。
1. 「長期・積立・分散」の考え方
経済危機下で資産を「増やす」ことを考える際に、特に初心者の方に知っていただきたいのが「長期・積立・分散」という考え方です。
- 長期: 短期間で大きな利益を得ようとするのではなく、数年、数十年といった長い時間をかけて資産を育てる考え方です。経済は短期的に大きく変動しても、長い目で見れば成長していく傾向があります。
- 積立: 一度にまとまった金額を投資するのではなく、毎月など決まったタイミングで少しずつ投資する方法です。価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く買うことになるため、平均購入価格を抑える効果が期待できます(ドルコスト平均法と言われます)。経済が不安定な時期でも、淡々と積み立てを続けることが有効な戦略となり得ます。
- 分散: 先ほどの「守る」でも触れましたが、異なる資産や地域に分散して投資することで、リスクを抑えながら資産を成長させることを目指します。
この「長期・積立・分散」は、特に投資初心者の方が資産形成を行う上での基本的な戦略とされています。
2. 「増やす」ための具体的な選択肢(初心者向け)
資産を「増やす」ための方法はいくつかありますが、経済危機下でも比較的取り組みやすい、または初心者向けの選択肢としては以下が挙げられます。
- 投資信託: 多くの投資家から集めたお金を、専門家が株式や債券などにまとめて投資・運用する商品です。これにより、少額からでも様々な資産に分散投資することが可能になります。経済危機時でも、プロに運用を任せられる点が初心者にとって安心材料の一つとなり得ます。特に、国が推奨するNISAやiDeCoといった非課税制度を活用した投資信託の積立は、長期的な資産形成の強力なツールとなります。(NISA・iDeCoについては、別の記事で詳しく解説しています。)
- 株式: 企業の株を購入し、企業の成長による株価上昇や配当金によって利益を得る方法です。経済危機時には企業の業績が悪化し、株価が大きく下落するリスクがありますが、経済回復期には大きく上昇する可能性もあります。ただし、個別の企業の業績に左右されるため、投資信託に比べてリスクは高めと言えます。初心者の方は、まず投資信託から始めるのが一般的です。
- その他: 不動産投資や金(ゴールド)への投資などもありますが、これらはまとまった資金が必要だったり、特有のリスクがあったりするため、最初は投資信託などのより始めやすい方法から検討するのが良いでしょう。
「守る」と「増やす」のバランスを考える
経済危機下では、「守る」ことの重要性が増しますが、だからといって「増やす」ことを諦める必要はありません。大切なのは、ご自身の現在の状況や将来の目標に合わせて、「守る」と「増やす」のバランスを取ることです。
- リスク許容度: 自分がどのくらい資産が減る可能性を受け入れられるか、ということです。若く、今後の収入でリカバリーできる可能性が高い場合は、ある程度リスクを取って「増やす」ことに比重を置くことも考えられます。一方、近い将来まとまったお金を使う予定がある場合や、リスクを取るのが苦手な場合は、「守る」ことを優先し、預貯金などの割合を多くする方が安心でしょう。
- 目標設定: 何のために資産形成をするのか?(例:将来のマイホーム資金、老後資金、教育資金など)その目標までの期間によっても、取るべき戦略は変わってきます。
いきなり完璧なバランスを見つける必要はありません。まずは、生活防衛資金をしっかり確保し、その上で、すぐに使わないお金を「長期・積立・分散」の考え方で少しずつ「増やす」ことに回してみる、といったスモールスタートから始めるのが現実的です。
最初の一歩を踏み出すために
経済危機下で、お金の「守り方」と「増やし方」について基本的な考え方をご説明しました。知識がない状態では不安が募る一方ですが、少しずつでも正しい情報を得ていくことで、不安は和らぎ、具体的な行動につながります。
- 情報収集: 信頼できる情報源(公的機関のウェブサイト、大手金融機関、専門家が執筆した書籍など)から情報収集を続けましょう。YouTubeやSNSも参考になりますが、玉石混淆なので、情報源の信頼性を確認することが重要です。
- 専門家や相談窓口の活用: 必要に応じて、ファイナンシャルプランナーなどの専門家や、自治体、金融機関の無料相談窓口を利用するのも良いでしょう。
- 少額から始める: 例えば、投資信託の積立であれば、月100円や1,000円といった少額から始められるものが多くあります。まずは「やってみる」ことで、徐々に慣れていくことができます。
- 家計の管理を続ける: 経済危機下では、やはり家計の見直しや支出の把握が土台となります。お金の「守り」「増やし」と並行して、家計管理もしっかり行いましょう。(家計管理については、別の記事で多数解説しています。)
経済危機は一時的なものであり、経済は必ず回復に向かいます。大切なのは、不安な状況でも冷静さを保ち、正しい知識に基づいた行動を続けることです。この記事が、あなたがお金に関する不安を乗り越え、最初の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
(補足:この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクが伴います。最終的な投資判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。)